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プレスリリース

[2024/06/26]

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民間初、自動運転レベル4の運行許可を取得

「HANEDA INNOVATION CITY®」内において自動運転レベル4でのバスの運行が可能に

鹿島建設株式会社
BOLDLY株式会社
羽田みらい開発株式会社

 鹿島(代表取締役社長:天野 裕正)とBOLDLY株式会社(ボードリー、代表取締役社長 兼 CEO:佐治 友基、以下「BOLDLY」)は、羽田みらい開発株式会社(代表取締役社長:山口 皓章、鹿島などの9社による共同出資会社、以下「羽田みらい開発」)などと共同で、2020年9月に大規模複合施設「HANEDA INNOVATION CITY」(以下「HICity®」)内において自動運転レベル2※1でのバスの定常運行を開始しています。このたび、道路交通法が適用されるHICity内の「道路」※2において、BOLDLYが運行する自動運転バス「ARMA」(アルマ)を自動運転レベル4※3で運行する許可を、2024年6月21日に東京都公安委員会から特定自動運行許可を、2024年6月26日に東京空港警察署から道路使用許可を取得しました。民間企業主体の事業において、自動運転レベル4での車両の運行が許可されたのは国内で初めて※4です。
 鹿島とBOLDLYは、今後もHICity内における自動運転レベル4での運行実績を積み上げるとともに、将来的にはHICityと羽田空港を結ぶHICity外のルートにおける自動運転サービスの提供を目指します。

※1 運転手の責任の下、一定の条件下でシステムが運転操作を実行
※2 「公道」および「一般交通の用に供するその他の場所(みなし公道)」
※3 一定の条件下でシステムが全ての運転操作を実行
※4 BOLDLY調べ(2024年6月26日時点)

HICity内を走行する自動運転バス「ARMA」"

HICity内を走行する自動運転バス「ARMA」

 HICity内における自動運転レベル2での定常運行の累計乗車人数は、2024年6月20日時点で68,870人※5に上ります。またHICityと羽田空港を結ぶHICity外のルートでは、将来の自動運転レベル4でのバスの定常運行を見据えて6回の実証実験を行い、知見を蓄積してきました。HICity内での定常運行およびHICity外のルートにおける実証実験では、 BOLDLYが提供する遠隔監視システム「Dispatcher」(ディスパッチャー)を使用し、自動運転レベル4でのバス運行を見据えた体制の構築に取り組んできました。
 さらに今回、自動運転レベル4でのバスの運行許可取得に向けて関係省庁と具体的な協議を進める過程において、新たに下記の取組みを行いました。

※5 2022年9月まではオペレーター(1人/便)を乗車人数に含めています

  1. 緊急車両のサイレン音の検知時に自動停車指示を出すシステムの開発
     自動運転バスに取り付けたマイクが緊急車両のサイレン音を検知すると、「Dispatcher」から自動で停車指示を出すシステムを開発しました。HICity内では、工事車両が走行する際などにサイレン���が鳴ることがありますが、AI(人工知能)により緊急車両のサイレン音のみを検知し停車指示を出します。

  2. 自動運転バスと「Dispatcher」をつなぐ通信回線の冗長化
     緊急車両が接近した際、遅滞なく確実に停車できるように、自動運転バスと「Dispatcher」をつなぐ通信回線を冗長化しました。

  3. LiDARセンサー※6の追加による障害物の検知範囲拡大
     HICity内を定常運行している自動運転バスには、LiDARセンサーが計8個搭載されており、高さ30cm以上の障害物を検知できます。今回、車体前方にLiDARセンサーを2個追加搭載したことで、高さ15cm以上の障害物を検知できるようになりました。

  4. ※6 レーザー光を使ったセンサーの一種。レーザー光を照射して物体に当たってから跳ね返ってくるまでの時間を計測し、物体までの距離や方向を測定します。対象物までの距離の他、位置や形状まで正確に検知できます

  5. 周囲の歩行者などに自動運転のステータス(自動/手動)を伝えるためのディスプレイを設置
     自動運転中であることを周囲の車の運転手や歩行者に伝えるために、自動運転バスに「自動運行中」と表示するディスプレイを設置しました。事前に定めた走行環境条件(ODD:Operational Design Domain)を満たさない状況になり手動運転を行う場合は、ディスプレイが「手動運行中」に切り替わります。

  6. 遠隔監視システム「Dispatcher」

    遠隔監視システム「Dispatcher」

    自動運転バスに設置したディスプレイ

    自動運転バスに設置したディスプレイ

 これらの取組みの結果、2024年6月26日に、これまでと同じルートで自動運転レベル4にてバスを運行する許可を取得しました。

 当面の間は、車内にスタッフ(特定自動運行主任者)を配置し、乗車案内の他、事故発生時の救護などの現場対応や事前に定めたODDを満たさない場合の運転操作などを行います。また、茨城県境町にある遠隔監視センターから「Dispatcher」を使用して自動運転バスの監視※7を行います。将来的には、車内にスタッフ(特定自動運行主任者)を配置せずに、遠隔監視者が乗客をサポートする運行体制に移行する予定です。

※7 道路交通法に規定される、特定自動運行主任者の遠隔場所への配置や遠隔監視装置ではありません。将来的に車内に特定自動運行主任者を配置しない運行体制に移行する際に遠隔監視装置及び特定自動運行計画の変更許可申請を行う予定です

 自動運転レベル4でのバスの運行は、運転免許を持つスタッフを車内に配置する必要がないため、運転手不足の課題解決に貢献します。また、将来的に遠隔監視者が「Dispatcher」を用いて一人で複数の自動運転車両を遠隔監視できるようにすることで、生産性向上への寄与も目指します。鹿島とBOLDLYは、持続可能な移動サービスを構築するとともに、引き続き、HICityと羽田空港を結ぶHICity外のルートにおける自動運転レベル4での移動サービスの実現を目指します。

■運行概要
距離1周約800m
速度最高時速12km
車両「ARMA」
体制特定自動運行実施者:BOLDLY
特定自動運行主任者:株式会社セネック(車内に配置)

■運行ルート

運行ルート"


■自動運転レベル4での運行許可取得までのフロー

レベル4での運行許可取得までのフロー"


(参考)
公道で自動運転バスの長期実証実験を実施
(2023年2月28日プレスリリース)

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