新しい
授業を作ろう。
ここから。
GIGAスクール構想をきっかけに、新しい学びが次々に生まれています。
iPadというツールと、教師のみなさんのアイデアを
掛け算して、
生徒たちのクリエイティビティを大きく育てていく。
そのヒントになる事例や、明日から使えるiPad活用アイデアや、授業ガイドを用意しました。
生徒たち一人ひとりが好奇心を持って、主体的に学びを楽しむ。
そんな授業を、
Appleと一緒に作りましょう。
教育を変える。未来が変わる。
リーダーとIT担当者のみなさん向けに、新しい学びを実現するための具体的な
アクションを紹介します。
リーダーとITのページを見る
学ぶも、教えるも、
もっと自由に。
手軽に使える
iPad活用アイデア。
写真に絵や
文字を書き込む
写真や絵に文字を書き込む
写真アプリのマークアップ機能を使えば、撮影した写真や保存した画像に文字や図形を追加できます。
肉眼では見逃してしまうようなことも、じっくり観察でき、生徒たちの気づきや疑問を簡単に可視化できます。
写真アプリを開いて写真を選択し、画面右上の「編集」>
の順にタップします。
文字や図形、イラストなどを追加し、重要な部分を強調しましょう。
こんな時にも
- 身の回りの発見を共有する
- 運動のフォームの理解や振り返りに活用する
- 手順や道具の名前を説明する
さらに詳しく
図形を使って
自分らしく表現する
図形を使って自分らしく表現する
Keynoteの図形を使えば、生徒たちは好きなことや伝えたいことを自分らしく表現できます。
いつもの自己紹介を創造性あふれるものにしましょう。
「自己紹介カード」ワークシートをダウンロードして「ここからはじめよう」のスライドのグループから、好きなシルエットを選びます。
をタップして、図形を追加します。
自由に図形を配置して個性的な自己紹介カードを作りましょう。
スローモーションで
観察する
スローモーションで観察する
カメラアプリのスローモーションでビデオを撮れば、撮影したものの動きをじっくりと観察できるので、生徒たちはこれまで気づかなかったことを発見できます。
こんな時にも
- 運動のフォームのセルフチェックや改善点を共有する
- 動きのある出来事や現象を印象的に伝える
さらに詳しく
Keynoteを
解説に活用する
Keynoteを解説に活用する
教師用のiPadを大画面に投影してKeynoteを電子黒板として活用しましょう。
再生中に画面を長押しすれば、授業を進めながら強調したい部分に下線を引いたり、文字を追加したりすることができます。
プレゼンテーション���再生中に画面を長押しすると画面下部に
が表示されます。
をタップして指やApple Pencilで注釈を加えましょう。
こんな時にも
- リモートで授業をする
- 解説内容をムービーとして書き出して配布する
- 生徒が作成したスライドの改善点を伝える
さらに詳しく
スライドショーで
授業を盛り上げる
スライドショーで授業を盛り上げる
写真アプリの写真を選んで、簡単にスライドショーを作成できます。
様々な場面を表示しながら説明すれば、授業や行事を楽しく振り返ることができます。
写真アプリを開き、「ライブラリ」をタップします。「すべての写真」または「日別」で写真を表示してから、「選択」をタップします。
スライドショーに使いたい写真を選択し、
>「スライドショー」の順にタップすると、スライドショーが再生されます。
画面右下のオプションから、テーマやBGM、プレゼンテーションの再生スピードをアレンジすることも簡単です。
こんな時にも
- 単元を振り返る
- 運動会や発表会のハイライトを作成する
- 卒業式などで活動内容をまとめて紹介する
さらに詳しく
教材をその場で
共有する
教材をその場で共有する
AirDropを使えば、その場で写真や書類などのコンテンツを送信できるので、教材の配布や回収、生徒間での情報共有などに便利です。
共有したいコンテンツを開き、
をタップし、共有オプションから「AirDrop」を選択します。コンテンツを共有する相手のアイコンをタップします。
写真アプリから共有する場合は、写真を選択し、共有オプションから左右にスワイプすれば共有する写真を複数追加することもできます。
フラッシュカードに
音声を追加する
フラッシュカードに音声を追加する
Keynoteを使ってフラッシュカードを作り、音声を追加してみましょう。読み書きを同時に学ぶことができます。
プレゼンテーションを開き、
>「オーディオを録音」の順にタップします。
次に、画面下の
をタップしてiPadに向かって話します。
長過ぎた部分は編集して調整することができます。画面右上の「挿入」をタップするとオーディオのアイコンが配置されます。
こんな時にも
- 漢字や英単語の学習に役立てる
- 書くよりも聞いて覚えることが得意な生徒に
- 毎日の宿題や復習に活用する
さらに詳しく
外国語を日本語に
翻訳する
外国語を日本語に翻訳する
Safariの翻訳機能を使えば、海外のウェブサイトでも簡単に日本語に変換できます。
グローバルな社会問題や科学的発見など、最新の情報に直接アクセスしましょう。
外国語のウェブサイトを表示中に、
>「日本語に翻訳」>「翻訳を有効にする」の順にタップすると、テキストや、画像内の文字が翻訳されます。
こんな時にも
- 英語学習や海外の学校と交流する
- 地域の外国人コミュニティについて調べる
さらに詳しく
手書きのノートを
読みやすくする
手書きのノートを読みやすくする
Pagesやメモアプリなどのマークアップに対応しているアプリを使うと、手書きした線や、図形が自動補正されます。
図形の学習やイラストを作成する際に試してみましょう。
対応しているアプリを開いて、
をタップし、ペン、マーカー、鉛筆のいずれかのツールをタップします。
指またはApple Pencilを使って、ひと筆で図形を描画してから手を止めると、図形が補正されます。
また「A」のマークがついたペンを選択した状態でApple Pencilで文字を書くと、自動で手書きの文字が認識され、テキストに変換されます。
こんな時にも
- 写真やPDFファイルに注釈や下線を入れる
- アイデアをグラフィカルにまとめる
さらに詳しく
プリントを
デジタル化する
プリントをデジタル化する
メモやファイルアプリを使って、プリントなどをスキャンしてデータ化すれば、必要なものをすばやく取り出すことができます。紙の資料を紛失する心配も軽減されます。
メモアプリを開いて、
>「書類をスキャン」
の順にタップします。
iPadの画面に書類を収めるよう位置を合わせると、自動的にカメラでスキャンされ、データとして取り込まれます。
こんな時にも
- 配布物をペーパーレスにする
- テストの答案などをデジタル化して保管する
さらに詳しく
アイデアを
書き出す
アイデアを書き出す
アイデアを広げたり、整理したりするためにフリーボードを使ってみましょう。
フリーボードのサイズには制限がないので、生徒たちはスペースを気にせず、自由に共同作業を進めることができます。
フリーボードを開き、写真や描画などを追加し、アイデアをまとめます。
付せんを追加して、ほかの人のアイデアにコメントすることができます。
こんな時にも
- マインドマップを書き出す
- 筋書きやフローチャートを作成する
- スケッチのキャンバスとして使用する
さらに詳しく
魅力的な
導入スライドを作る
魅力的な導入スライドを作る
動きのあるスライドを作って、授業の最初に見せ、生徒たちの好奇心を刺激しましょう。
Keynoteを使えば、スライドにアニメーションを追加するのも簡単です。
動きをつけたいスライドをタップし、「
」をタップして、「トランジション」>「トランジションを追加」>「マジックムーブ」の順にタップし、もう一度スライドをタップします。
次に、表示されたウインドウで「複製」をタップします。複製したスライドで、オブジェクトを移動、回転させたり、サイズを変更したりしてみましょう。
元のスライドに戻り、
をタップして、スライドをタップすると、アニメーションを再生できます。
こんな時にも
- 変化をわかりやすく説明する
- 時間の流れやサイズなどを強調する
- 授業の内容をドラマチックに表現する
さらに詳しく
スライドを
ムービーに書き出す
スライドをムービーに書き出す
Keynoteを使って解説スライドを作成し、ムービーとして書き出しておきましょう。
一度で理解するのが難しい授業内容でも、何度も見返すことで、生徒たちは理解を深めることができます。
作成したスライドを表示し、画面左上の
>「書き出し」>「ムービー」の順にタップします。
解像度や書き出すスライドの範囲などを指定し、「書き出し」をタップすれば、スライドがビデオに変換されます。
こんな時にも
- 授業の予習や復習に活用する
- 自習やリモート学習に役立てる
さらに詳しく
ウインドウを並べて
スムーズに作業する
ウインドウを並べてスムーズに作業する
Split Viewを使えば、アプリの画面を2つ並べて表示できるので、資料を見ながら効率的に教材の準備を進めることができます。
対応アプリを表示中に画面上部の
>「Split View」の順にタップし、もう1つのアプリを選択します。
ウインドウを並べた状態でドラッグ&ドロップを行うと、アプリ間でスムーズに項目をコピーできます。
Split Viewを終了したい場合は、中央のバーを左右どちらかの端までドラッグするか、どちらかのアプリの
を選択し、「閉じる」をタップします。
こんな時にも
- 写真やビデオを教材に追加する
- 提出物をチェックしながら評価シートに記入する
さらに詳しく
ダンスビデオ
を作る
ダンスビデオを作る
Clipsを使えば、簡単に生徒同士や家族と一緒にダンスビデオを作ることができます。
振付を考えて、ほかの人と交代しながら1つにまとめれば、オリジナリティあふれるビデオができあがります。
Clipsを開いて録画します。1人目のダンスを記録したら、一時停止して2人目と交代します。2人目のダンスを記録したら、また次の人と交代します。
撮影したビデオにエフェクトや音楽を追加しましょう。
こんな時にも
- 体育の授業や学校行事に活用する
- 自分や家族を紹介する
さらに詳しく
ワークシートに写真や
ビデオを取り込む
ワークシートに写真やビデオを取り込む
Pagesを使えば、テンプレートをもとに編集するだけで簡単に教材を作ることができます。
自宅や屋外などで撮影した写真やビデオをその場で取り込めるので、生徒たちは学んだことをよりクリエイティブに表現できるようになります。
Pagesを開いて、ベースにするデザインのテンプレートを選びます。
テキストやオブジェクトを変更したり、追加したりしてワークシートを作成し、生徒に配布しましょう。メディアプレースホルダを使うと、写真やビデオを追加する場所をわかりやすく示すことができます。
写真やビデオを追加する際は、メディアプレースホルダの右下隅の
をタップします。撮影した写真をその場で追加することもできます。
こんな時にも
- 植物観察をする
- 地域のものや料理のレシピを紹介する
- 作品や写真を単元ごとにまとめる
さらに詳しく
時間を
計画的に使う
時間を計画的に使う
スクリーンタイムを有効にすると、生徒ごとにiPadの使用状況を振り返ったり、利用を制限したい時間帯を設定したりできます。それぞれの家庭のライフスタイルや方針に合わせて設定できるので、家族や地域、学校間で連携しながら生徒たちのスキルを向上させることができます。
「設定」
>「スクリーンタイム」の順にタップします。
次に、「アプリとWebサイトのアクティビティ」>「アプリとWebサイトのアクティビティをオンにする」の順にタップします。
こんな時にも
- 各アプリに費やした時間を確認する
- iPadの使用を制限する時間帯を設定する
- iPadの使い方についてのルールを決める
さらに詳しく
翻訳アプリを
使って会話する
翻訳アプリを使って会話する
翻訳アプリを使えば、文字だけでなく、音声や会話も翻訳できます。
言語をダウンロードしておけば、インターネット接続がなくても使用できるので、家庭学習や校外学習でも便利です。
アプリを開き、「会話」をタップし、会話で使う2つの言語を選択して、いずれかの言語で話します。
対面で話すときは、右上の「表示」をタップし、「対面」
を選択すると、お互いが自分側から会話の内容を見ることができます。
こんな時にも
- 海外研修やホームステイに活用する
- 日本語を話さない保護者とのコミュニケーションに役立てる
- 海外の交流校とのビデオ会議や、ビデオレターの作成を簡単にする
さらに詳しく
観察日記を
映像で残す
観察日記を映像で残す
Clipsでは写真やビデオを手軽に編集できるので、生き物や植物などの観察日記をつながりをもって見せることができます。
日々の記録を短いビデオで残し続けることで、長期間での成長や変化の様子がよりわかりやすくなり、まとめる過程で自分なりの発見や気づきにもつながります。
Clipsを開いて赤い録画ボタンをタッチし、押したままにして録画します。
>
の順にタップし、ライブタイトルを使えば、撮影しながら音声をリアルタイムで字幕にすることができます。
こんな時にも
- 季節ごとの空の変化の観察記録をつける
- 楽器やスポーツの練習過程を記録する
- 工作や料理の手順をまとめてレポートに加える
さらに詳しく
登場人物になりきって
ポストカードを書く
登場人物になりきってポストカードを書く
本の登場人物になりきって、Keynoteで印象に残った場面をポストカードで表現してみましょう。
写真やスケッチを加えて、別の登場人物に宛てたメッセージを書くことで物語への理解が深まり、読解力の向上にも役立ちます。
ワークシートをダウンロードし、1枚目にスライドを追加し、写真やスケッチを加えます。
2枚目のスライドでテキストボックスをダブルタップして、文字を入力します。
こんな時にも
- ミー文字や写真を活用して10年後の自分宛にポストカードを書く
- 戦国武将になりきって、他の武将に暑中見舞いを書く
- 虫の特徴を考えながら、幼虫の視点に立って成虫になった自分に宛てたポストカードを書く
ワークシートをダウンロードする
体験や思い出を
音楽で表現する
体験や思い出を音楽で表現する
GarageBandでは、手軽に楽器の音や効果音を自由に組み合わせられるので、日々の生活や体験した出来事をもとにした自分だけの音楽が簡単に作れます。表現方法の選択肢が増え、作った音楽を共有したり使い道を考えることもできます。
GarageBandを開き、
をタップします。画面上部の「LIVE LOOPS」をタップし、テンプレートか空のグリッドを選択して音楽の作成を始めます。
KeyboardやGuitar、Stringsなどを選択し、自由に組み合わせます。
Autoplayを使えば、タップしたコードに合わせて自動的に演奏されます。
こんな時にも
- 一緒に体験した家族や友だちに思い出としてプレゼントする
- オリジナルの目覚ましアラームに設定する
- 部活や班活動でチームのテーマソングを作る
さらに詳しく
ポイントをビデオに
まとめて振り返る
ポイントをビデオにまとめて振り返る
Clipsを使えば、さか上がりや部活など生徒たちは自分が運動している様子を撮影し、ビデオにまとめることができます。
注目すべきポイントにライブタイトル、テキスト、ステッカー、絵文字や音楽を追加することでより楽しく、効果的に振り返ることができます。
Clipsを開き、赤い録画ボタンを左にスワイプして撮影を開始します。 左にスワイプすることで録画がロックされ、録画ボタンから手を離したまま撮影することができます。
撮影したクリップを選択し、
をタップし、ステッカーや絵文字などを追加して、注目してほしい部分を強調します。
をタップして音楽を追加することもできます。
こんな時にも
- スポーツや音楽などのベストプレー集を作る
- 学校行事の思い出をまとめて楽しく振り返る
- 問題の解き方や手順の解説ビデオを作成する
さらに詳しく
日記を
音声で残す
日記を音声で残す
GarageBandのAudio Recorderを使えば、毎日の日記を音声でラジオ番組のように残すことができます。
サウンドエフェクトを使って自分の声を強調したり、Apple Loopsを使って音楽を追加したりすれば、より楽しく思い出を振り返ることができます。
GarageBandを開き、
をタップして音声を録音します。
音楽を追加したい時は、
をタップし好きなループを選び、トラックに追加します。
こんな時にも
- 自分の体験や心に残ったことをより豊かに表現する
- 身近な人に聞いた経験談を効果的に演出する
- 音読を音声作品として仕上げて、より良く感情を表現する
さらに詳しく
いつもの授業に、
いつも以上の学びを。
教科別の
iPad授業ガイド。
国語
文を作って発表する
好きなものを伝える
1年間を振り返る
生活
野菜の成長の観察記録
自分のまちの探検
ありがとうの気持ちを届ける
国語
友だちのことを知る
オーディオドラマを作る
気持ちが伝わる感想文
算数
10000より大きい数の仕組み
円と球
棒グラフと表
社会
自分たちの住む都道府県
ごみ処理とまちづくり
自然災害への備え
理科
電流のはたらき
月や星の見え方
人の体のつくりと運動
国語
古典を楽しむ
よりよい学校生活を考える
自分の考えを表現する
理科
天気の変化
植物の発芽と成長
流れる水のはたらき
社会
災害からくらしを守る政治
天下統一に向けて
世界の中の日本の役割
英語
Favorite Place
Dream and Future
Story Time
国語
効果的に伝わるスピーチ
根拠にもとづくレポートの作成
多様な表現技法
社会
日本の地域的特色と区分
地域のあり方
開国と江戸幕府の終わり
理科
様々な化学変化
動物の体のつくりとはたらき
電流と磁界
英語
Our Traditions
School News
My Wish
技術・家庭
材料と加工の技術
金銭管理と消費活動
双方向性のあるコンテンツ
iPad授業ガイドの詳しい使い方は、
こちらをご覧ください。
iPadを学校で活用するための基礎を学べます。
iPadの基礎を学びたい
教師のみなさんのためのiPadスターターガイドでは、教育に役立つ基礎的な機能や内蔵アプリの使い方を紹介しています。
iPadで新しい
学びを実践する
教師のみなさんの
ストーリー。
物語と自分の生活を結び付け、iPadを使って表現。
読む力、話す力が向上し、
読書の楽しみも広がりました。
横浜市 小学校
教師 中里優子氏
物語と自分の生活を結び付け、iPadを使って表現。
読む力、話す力が向上し、
読書の楽しみも広がりました。
横浜市 小学校
教師 中里優子氏
横浜市の小学校で2年生を担任する中里氏は、国語の授業で無料のApple製アプリを効果的に活用しています。国語では作品の内容を読み取るだけでなく、自分の考えや感じたことを表現する活動も重要ですが、以前は一人ひとりに応じた最適なサポートを行うことに様々な課題を感じていました。「文字の習得には個人差があり、長い文章を読んで理解することが苦手な子もいました。また、表現する方法もこれまでは文字や絵が中心でしたが、より多様な手段を組み合わせて自分らしいアウトプットができるような授業を実践したいと考えていました」と中里氏は振り返ります。そこで、子どもたちが自分で撮影した写真や画用紙に描いた絵、録音した声や自作した音楽などを組み合わせて、物語をクラスメートに紹介する活動を計画しました。
中里氏はまずKeynoteを使って、物語の一場面を、お気に入りの場所や身の回りにある物で表現するためのワークシートを作成しました。ライブビデオ機能を使えば、iPadのカメラで撮影しているリアルタイムの映像をスライド内に追加することができます。その機能をワークシートに活用し、好きなものを簡単に映し出せるよう工夫しました。子どもたちは、文字やイラストを加えてクラスで発表することで、お互いから大きな刺激を受けました。また、自分たちが読んだ本をほかの人に紹介するためのブックトレーラー作りもグループで行っています。「子どもたちは作品を何度も読み返して、物語が展開するきっかけとなる言葉や、お気に入りの場面を選んでいました。Keynoteのアニメーション機能を使って物語を視覚的に表現したり、ビデオに書き出してiMovieでナレーションやBGMを追加したりする活動も行うことで、登場人物の行動をより具体的に想像できるようになりました」と中里氏は話します。
これらの活動を通して、子どもたちの表現力や本の読み方が変わっていきました。これまで書くことが苦手だった子どもも、文章量が増え、話し方も上手になりました。そして、主人公が何をした物語なのかを考えながら読むようになり、あらすじを短い言葉でまとめて感想とともに紹介できるようになりました。「読書が楽しくなったと話してくれる子が増えました。早く国語の授業を始めたいと言うほど、子どもたちは意欲的に学習に取り組んでいます」と中里氏は言います。また、グループで行う活動を取り入れたことで、子どもたちは自分がわからないことは友だちに相談すればより良いものができるという考えを持つようになりました。今ではほかの教科の授業でも、子どもたち同士で協力し合う姿が見られています。「iPadを取り入れたこの活動に、とても成果を感じています。今後も、音読劇を撮影したり、自作の物語をPagesのテンプレートで表現したりと、様々な活動にチャレンジしてみたいと思います」と中里氏は語っています。
「子どもたちは、iPadを使えば
すぐに自分の考えを表現でき、
思いが形になることを喜んでいます。
今まで文章を読むことに抵抗を感じていた子も、友だちが紹介した
本を読み始めています」
ユニバーサルデザインの授業で拡張現実(AR)を活用。生徒が主体的に課題を見つけ、アイデアを形にすることができました。
世田谷区 中学校
家庭科教師 寳達佑美氏
ユニバーサルデザインの授業で拡張現実(AR)を活用。生徒が主体的に課題を見つけ、アイデアを形にすることができました。
世田谷区 中学校
家庭科教師 寳達佑美氏
家庭科教師、寳達氏が教える世田谷区の中学校では、ユニバーサルデザインに関する取り組みに力を入れており、校舎の設計にもその考えが取り入れられています。寳達氏は自身が行うユニバーサルデザインの授業で、この環境を活かしたより実践的な学びができないかと考えていました。「これまでの授業は教科書に沿った説明になりがちで、生徒が受け身になってしまうのが課題でした」と寳達氏は振り返ります。そこで、拡張現実(AR)アプリのReality Composerを使った、探究型の授業を始めました。
Reality Composerは、手軽に3Dオブジェクトを作成したり、ARを使って現実世界に重ねて表示したりできる無料のApple製アプリです。アイデアを立体で表現して現実世界に配置し、様々な視点から観察できるので、生徒の好奇心を引き出しながら、理解を深めるのに役立ちます。寳達氏は、このアプリを使うことで、普段使っている校舎から新たな発見が生まれるような授業を考えました。生徒たちはまず、教室でユニバーサルデザインについて学んだあと、iPadを持って実際に校内を探索します。そして、日常的に生活しているからこそ気づく、誰もが利用しやすくなるためにより工夫ができる場所を撮影します。その後、さらに良くしたい点をグループで話し合い、Reality Composerを使ってその場所に必要なものを作成して配置し、クラスで発表し合いました。
生徒たちは、身近なところから課題を見つけ、解決方法を考えるという活動に夢中になって取り組み、グループで発想を共有しながらアイデアを具体化していきました。Reality Composerを使って現実世界に重ね合わせることで、改善策を立体的に考えられるようになり、これまで以上に身の回りの環境について興味を持つようになりました。その結果、ユニバーサルデザインについての理解も一層深まったと言います。「生徒たちの着眼点や、自由な発想にはとても驚かされました。次の学年ではより広い視点を育めるように、街の課題解決に取り組むという授業を計画しているところです。生徒たちはきっと将来、この学びを活かしてくれるだろうと期待しています」と寳達氏は語ります。
「iPadとReality Composerを使うことで、理解が深まっただけでなく、思考する力や表現する力も身につき、生徒たちの確かな成長を感じました」
子どもたちと教師が、iPadの共同作業で作る「新しい黒板」。みんなが参加できる、協働的な学びを実践しています。
新潟市 小学校
教頭 竹内義雄氏
子どもたちと教師が、iPadの共同作業で作る「新しい黒板」。みんなが参加できる、協働的な学びを実践しています。
新潟市 小学校
教頭 竹内義雄氏
新潟市の小学校で理科を教える竹内氏の授業では、子ども同士の意見の共有に、無料のApple製アプリによる共同作業機能が活用されています。これまで行っていた授業では、クラス全員の考えを引き出すことができないまま、授業を終えてしまうことに課題を感じていたと竹内氏は言います。「授業中にスムーズな情報共有ができれば、子どもは幅広い意見を比較して検討できるようになります。そうすることで、より意見に広がりが出るのではと考えていました」
竹内氏が行う理科の授業は、テーマについて各自が考えを整理したあと、グループごとに実験の結果を記録し、クラス全体で考察を共有するという流れで進みます。その一連の活動に、Numbersを使った共同作業を取り入れることにしました。共同作業機能を使えば、クラウド上にある1つのファイルをクラス全員がリアルタイムで編集できるので、誰もがほかのグループの様子をいつでも確認できるようになります。「情報が一か所にまとまることで、教室内の至るところで生まれる子どもたちの気づきや、つまづきを俯瞰して把握できるようになりました。また、Numbersはビデオや写真などを簡単に追加することもできるので、子どもたちは思考したことや実験の様子などを、実験結果と関連付けて配置しながら、時系列でまとめられるようになっています」と竹内氏は言います。
共同作業機能によって様々な意見がクラス全体で共有できるようになり、子どもたちはこれまで以上にほかの考えにも興味を持つようになりました。そして、自分一人では思いつかなかった発想や、異なる意見も含めて対話するようになり、子ども同士の学び合いも活発になりました。以前は自分の意見を言語化することが苦手だった子も、ほかの子の意見に賛同したり、付け加えたりして、少しずつ自分の考えを発信でき、クラス全体でアウトプットの量も増えたと言います。「iPadをみんなが書き込める黒板のように使って共同作業を行うことで、より主体性が育まれ、協働的な学びを実践できるようになりました。子どもたち同士が意見を交換しながら作り上げるこの新しい黒板を、これからも広げていきたいと思います」と竹内氏は語っています。
「共同作業機能を活用することで、
子どもたちは多様な視点から考えを深められるようになりました。今では、
誰もが自分の意見をアウトプットでき、より
いきいきとした授業を展開できています」
化学反応のスライドに、簡単なアニメーションをつけて現象をモデル化し、実験の振り返りに。動きが生徒の理解に役立ちます。
伊那市 中学校
理科教師 塚平和希氏
目に見えない化学の現象を、文章で説明できるようになりました。
伊那市 中学校
理科教師 塚平和希氏
分子の動きのように、目に見えない化学の現象を言葉で説明するのは中学生にとって簡単なことではありません。Keynoteのアニメーションで動きをつけて化学反応の仕組みをモデル化し、実験の振り返りをできるようにしました。
例えば銅の酸化還元では、覚えて欲しい変化の仕組みを、酸化前、酸化の瞬間、酸化後の3枚のスライドにして生徒たちに渡します。生徒たちは銅や酸素などの用意されたパーツを、マジックムーブで動かして酸化の仕組みを表現し、実験の振り返りスライドを完成させていきます。
実験結果と学んだことをもとに、生徒は楽しみながら主体的に取り組んでいました。アニメーションの動きをつけることを通して、現象を再確認しながら視覚的に理解できるので、反応の仕組みを順序立てて、大切なポイントを押さえた考察文が書けるようになりました。
これまでの紙のモデル図への書き込みでは、生徒の思考のステップや事象のつなげ方は教師には見えませんでした。今は生徒の作ったアニメーションビデオを見ればどこで何を見落としているのか把握できるので、「わかったつもり」で終わらせない指導ができるようにもなりました。
二十日大根の写真を撮って、Keynoteで観察記録に。
とても簡単なので、生徒たちも
自信を持って取り組めました。
枚方市 小学校
教師 茅根絵里氏
自分の発見を人に伝える喜びが
大きく育ちました。
枚方市 小学校
教師 茅根絵里氏
小学2年生の生活科の授業で、二十日大根の成長をテーマにした観察記録を作っています。生徒たち自身がiPadのカメラで対象を撮影し、それをKeynoteに貼り付け、気づいたことを書き加えていきます。
手描きの絵だと、画力の問題で自分が伝えたい部分をうまく表現しきれないことがあったり、他の子が描いた絵と見比べて落ち込んでしまうこともありますが、写真だとその心配がありません。思い通りのものが簡単にできあがるので、自信を持って、集中して観察記録に取り組むことができます。そうしていくうちに、生徒の中に自分の発見を誰かに見せたいという思いが芽生え、さらに前向きに観察に取り組むようになりました。
教師としても、手描きの絵の観察記録では気づいてあげられなかった生徒たちの視点が見えてきたり、何よりも、生徒たちが学ぶことの楽しさを感じてくれているのが伝わってきて、とても有意義な取り組みになっていると感じています。
アメリカ各地を紹介する
ニュース番組を制作。
知らないことを調べて表現する
深い学びの体験になりました。
墨田区 中学校
社会科教師 古賀隆一郎氏
番組という表現の場が
あることで、より自主的に、
より深く調べるように。
墨田区 中学校
社会科教師 古賀隆一郎氏
多くの生徒は、自分が行ったことのない地域について、断片的なイメージしか持っていません。例えば「アメリカといえば自由の女神」という感じで終わってしまい、知識がそれ以上深いところまでいかないケースが多いのです。そこで、生徒たちにアメリカの各地について紹介する3分間のニュース番組を制作してもらいました。
Pagesでニュース原稿を作り、グリーンバックを背にしたリポーターが現地を紹介するビデオをiPadのカメラで撮影。その後、iMovieで風景写真やグラフなどを合成することで、まるで本物のテレビ番組のような仕上がりになります。
ニュース原稿を作るためには、その地域についてしっかりと調べる必要があります。そして何より、自分が学んだことをアウトプットする場があることで自主性が出てきて、生徒たちは、昼休みや家にいる時間にも調べるようになりました。
ニュース番組を作るというアイデアによって、表面的な知識の修得にとどま��ず、知らないことを自主的に調べ、さらに人に伝えるために創り、表現するという、深い学びが実現できました。
歴史上の人物を紹介するビデオを作ってもらいました。
生徒が授業の主役になって、
主体的に学ぶ習慣ができました。
熊本市 小学校
教師 山下若菜氏
知識だけでなく、
学び方も教えることが
大切だと思っています。
熊本市 小学校
教師 山下若菜氏
教科書にはたくさんの人名が出てきますが、それを読んで覚えようとしても、なかなか頭に入りません。そこで、教科書に出てくる人物について説明するビデオを生徒たちに作ってもらうことにしました。
ニュース番組、インタビュー、対談など、どんなスタイルで表現するかを考え、チームの中での役割分担をし、教科書や資料集で調べて原稿を作り、人物のお面を作って、カメラの前で演じる。そのこと自体が楽しいので、生徒たちは楽しみながら自発的に学びに向かっている様子でした。
授業後には、保護者のみなさんから「子どもから初めて『歴史の本を買ってほしい』と言われました」「父親と一緒に戦国武将について調べ始めて驚きました」といった感想もいただき、この授業が、生徒たちの学びに対する姿勢をより積極的なものに変えたことを実感しました。
私たち教師の役目は教えることですが、私は知識を教えるだけでなく、こうして学び方を教えてあげたいと思っています。iPadを活かしながら「こうやったら勉強は楽しくなるよ」という提案をこれからもたくさんしていきたいです。
問題の解説ビデオを生徒が制作。ただ正解を出すだけの力でなく、数学的に深く考える力が育つようになりました。
松阪市 中学校
数学科教師 湊川祐也氏
頭の中の考えを表現することが、
より深く理解するきっかけに。
松阪市 中学校
数学科教師 湊川祐也氏
生徒たちには、数学の本質を理解し様々な場面で応用できる力を身につけてほしいと思っています。そこで、暗記レベルの理解にとどまりがちな二次方程式などの単元で、問題の解き方の解説ビデオを作ってもらいました。「ビデオ作り」という非常に興味を持ちやすい企画だったので、生徒たちは主体的に取り組んでくれました。
使ったのは、ビデオ制作アプリのClips。撮影も編集も簡単で、自分たちの思い通りのものが作れるので、使い方を覚えるのに時間をとられることもなく、楽しみながら解説ビデオ作りができました。
普段は自分の中で完結しているプロセスを人に教えるという体験を通じて、深く理解していないと説明できないということに生徒自身が気づき、数学の本質まで掘り下げて考えるようになりました。
教師の視点では、「生徒の思考の見える化」ができたことがとても貴重でした。作ってくれたビデオの構成や、強調して表現されているパートなどを見ることで、その生徒が何を考え、どういう理解をしているのかが一目でわかるように。これも、iPadを使った授業ならではの成果でした。
あらゆる方法で教師のみなさんの
ニーズに応えます。
iPadを使った授業の
スキルをさらに磨きたい
Apple Teacherは、教師のみなさんをサポートする無料のプログラムです。授業のアイデアを見つけたり、iPadや様々なアプリを授業の中に効果的に取り入れる方法を学んだりできます。
教育者のみなさんをサポートするための様々なリソース
Apple製品を最大限に活用するのに役立つ教材や授業のアイデア、学習コンテンツを利用できます。リソースは随時追加および更新されています。
iPadで共同作業を行いたい
学校現場でApple製アプリを使って共同作業を始める際の手順を紹介しているガイドです。より効果的な授業を実践するために活用してみましょう。
iPadについて質問したい
教師、教育委員会、IT担当者のみなさんのために、iPadの操作方法やApple製アプリの使い方など、様々な質問にお答えします。