上位の批判的レビュー
5つ星のうち3.0描くべきを描いていないが如く
2024年6月27日に日本でレビュー済み
龍が如くはナンバリング全作品と外伝作品もプレイしてきました。その上で言うと、龍が如く8はキャラの魅力とストーリーという点において過去最低レベルの満足感しか無かったと断言できます。
以下、ネタバレを含むので読む際はご注意ください。
まず、エンディングノートの内容とメインストーリーを分けていることが意味不明。
そもそも、エンディングノートがあろうが無かろうが、ストーリー上で桐生の映像がテレビ、ネットで大量に流れていて、一般人が大勢集まってくる騒ぎなのに、沢村遥、狭山薫、秋山駿、沖縄の子供たち、だれ一人、何のシーンも絡みも無いなんて、ありえない。そんなバカな。
龍が如く6以来の桐生ちゃんと遥たちの待望の再会シーンも全カット。なぜか、再会は既に済んでいて、一言の説明も無く、
医者「お名前、教えていただけますか」
桐生「桐生一馬だ」
って、何で? いつ、どうやって、どういう理由で名前を取り戻したの? 何で本人はそれで納得したんだよ。何でそのシーンをカットするの?
春日一番とエイちゃんのエンディングにしても、どういう経過があってエイちゃんだけ袋叩きで、千歳がグループの会長なのか、何にも描かない。最後に一番が頭にビンを投げつけられて派手に倒れたのに、そのことは完全スルーで告白シーン。何を表現したいのやら。
ラスボスも俳優、声優の演技力でカバーしているだけで、海老名は最初から半ば諦めている自暴自棄のヤクザ殺し。ブライスは30年以上見た目が変わらない100歳越えの化け物という設定は何の意味も無く、信者を従えたマフィアのおじいちゃんというだけ。龍が如く7と比べてもラストバトルは何の盛り上がりもありませんでした。
そして、海老名に勝った最後のセリフ、「すまなかった」。桐生一馬のラストを締めくくる言葉が、ひたすら後悔と謝罪、自己否定、過去の否定。桐生一馬の人生ってそんな何の意味も無い、くだらないものでしたっけ?
そもそも、千歳、茜さん、ラニを探すくだりでシナリオの約半分を消費する必要が全く無い。二転三転する理由も設定も無いんだから、さっさと会��せれば良いだけ。
花輪が初対面のエイちゃんをセーフハウスに常駐させているのも何かの伏線なのかと思ったら、そのまま花輪が殺される始末。今度こそ、ラストへの伏線かと思ったら、最後まで何も無い。
とにかく、桐生一馬の集大成として描くべきシーンをひたすらカットし、描いたと思えばメインストーリーには絡ませない。描く必要の無いシーンをひたすら引き伸ばしただけ。
できるだけ早く、「龍が如く8外伝」を発売してきちんとストーリーを描き切ってもらいたいくらいです。
ちなみにドンドコ島は良かったです。ただ、あれだけのアイデアを詰め込むには今の島の敷地は狭過ぎるかなと思います。