ゲーム業界の“エゴサ”自動化型監視ツール「Oreo」なるツールが展開拡大中。XとSteamを対象にユーザー投稿を自動チェック、開発経緯を訊いてきた

 

AIQVE ONE株式会社から、SNS自動監視ツール「Oreo」がサービス中となっている。同ツールでは、X(旧Twitter)の投稿から、キーワードの設定によりバグの自動検知などが可能。公式サイトでは、無料で24時間の自動監視が可能な点や、AIの画像判定を使った高精度の投稿収集などが��われている。

またOreoは、X以外にSteamの監視に対応。Steamのユーザーレビューも収集できるためか、ゲーム業界に特化したツールと称されている。弊誌では、6月28日に大阪で実施されたGTMF 2024の会場にて、そんなOreoについてAIQVE ONEのマーケティング担当者に話を伺ってきた。本稿では、その内容をお届けしよう。

なお、7月11日15時から、AIQVE ONEが「Oreo」についてZoomで説明する、オンラインでのハンズオンイベントも実施予定。興味ある方はまずはこのイベントに参加してみるのがいいだろう。

ゲーム業界特化のツール

──まずは自己紹介とOreoの簡単な説明をお願いします。

藤沢海氏(以下藤沢氏):
AIQVE ONE株式会社の藤沢です。Oreoのマーケティングを担当しています。Oreoは、X(旧Twitter)を対象としたSNS自動監視ツールです。3月頃にSaaS(サービスとしてのソフトウェア、インターネット経由でユーザーが利用できるサービス)化とサイトのリニューアルをおこないました。

これまでは月額で料金をいただく形態でサービスをしていたのですが、リニューアルにあわせてフリープランも導入しまして、どなたでも簡単にお試しいただけるようになっています。また最近ではツールの対象にSteamが追加されました。ゲーム業界に特化したツールとして、これから認知を拡大していきたいと思っているところです。


──Oreoの開発の経緯を教えてください。

藤沢氏:
ニーズを認識したことが、きっかけだと伺っています。3年ほど前にあるゲームの運営会社さんから、日々エゴサーチをしている中、自動的にバグを検知するようなツールが欲しい、そういうツールが作れないかという相談があったんです。そこからすぐにベータ版を組み上げ、お客様の要望���りのツールを作っていった形です。

──Oreoは実際どのように使うのでしょうか。

藤沢氏:
利用の流れを説明させていただきます。アカウント作成など終わらせサイトにログインすると、まずはキーワードを登録していただきます。たとえばバグを自動的に検知したい場合にはゲームタイトルに加えて、動かないや止まったといったネガティブなワードを登録すると、チャットワーク/Teams/Slackなどへ通知が飛んできます。登録されたキーワードに応じてバグを自動的に検知し、SNS上の投稿をすぐに確認できるわけです。ネガティブなワードだけでなく面白いや楽しい、カワイイなど、ポジティブなキーワードも登録できるようになっています。

またリアルタイムなチェック以外に、レポート形式での書き出しにも対応しています。月ごとの報告作成時などには、投稿数の推移や登録したワードの比率といったデータを、Oreoがレポート形式にしてくれる形です。そのほかOreoでは、Steamのレビュー監視に対応しています。Xの監視同様キーワードを設定しておくと、レビュー内容を自動的に収集してくれるので、手動でSteam のレビューを遡ってチェックしなくて済むのです。

ご活用いただいているケースとしては、レビューで具体的な不具合報告があった際にはもちろん修正対応へ繋がっています。またちょっとネガティブな意見を通知で確認したり、ユーザーのレビューが話し合いのきっかけになったりもしています。


──フリープランではどういった機能が利用できるのでしょうか。またどんな利用形態が用意されていますか?

藤沢氏:
フリープランでは、まずはメールアドレスやお名前などを登録いただき、アカウントを作成してもらいます。その後は組織・プロジェクトの作成があり、情報共有のために社内のチームメンバーをプロジェクトに招待することもできます。。検索ワードやチャットツールの通知先など、設定に少し時間がかかってしまうのですが、導入が終われば楽に使えるツールになっています。

またフリープランと有料プランでは、収集可能な投稿数の制限などが異なっています。無料で使える範囲では、Xのポスト数が上限に達してしまうこともあります。なので、まずは無料でどんなものか触っていただき、よりディープに使用いただくなら月額3万円のスモールプラン、月額9万8000円のミディアムプランへ課金していただく形です。

利用プランの中で一番上のラージプランでは、AIを使った画像判定が可能となっています。SNS上にはさまざまな投稿があり、キーワードによっては対象タイトルと関連のない投稿も拾ってきてしまいます。しかしOreoではAIによる画像判定機能があるので、ゲームに関連のある画像などを読み込ませてあらかじめ学習させておくと、AIが関連のない投稿を自動的に除去してくれます。AIによって、本当��関連のある投稿だけを通知できるようになっています。


Discordも追加したい

──今後に向けた改善点などを伺わせてください。

藤沢氏:
現段階では管理画面・ダッシュボード内の動線がわかりにくいといったご意見をいただいています。そうした基礎的な部分の改善をまずはしていかなければならないと思っています。フリープランで使っていただいた方にもどんどん意見を聞いて、ユーザービリティを向上させていきたいです。また現在はXとSteamだけに対応していますが、Discord ・Instagram・YouTubeなどでも投稿が収集できるようになればより使えるので、対応SNS媒体の増加を目指しています。

──現在利用者の状況はいかがでしょうか。

藤沢氏:
サービスを説明していると、興味を持っていただける部分はあるんです。しかしまだ有料登録のお客様は少ない状況です。弊社はSaaS運用自体が初めてで、ノウハウもないので、イベントのあとにハンズオンやフォローアップイベントを実施したりなど、試行錯誤しているところです。まずはフリープランに登録して試してほしい。そうした中でユーザーさんの声を拾って、どんどん改善していきたいと思っています。

──ありがとうございました。

Oreo」は、サービス展開中だ。月額無料のおためし版も利用可能。7月11日15時からは、AIQVE ONEが「Oreo」についてZoomで説明する、オンラインでのハンズオンイベントも実施予定。興味ある方はまずはこのイベントに参加してみるのがいいだろう。