和風世界があっという間に変形する、なんとも言えない浮遊感!

ボタンを押せば、世界の違う姿が見え隠れ――和風“4D”パズルアドベンチャー『Miegakure』【Day of the Devs】_01

 2014年11月1日、アメリカのカリフォルニア州サンフランシスコで、Double Fine Productionsが主催するインディーゲームイベント“Day of the Devs”が行われた。
 メキシコの祝祭“死者の日”(Day of the Dead)になぞらえて11月頭に行われるこのイベントは、今年で2回目。去年より大幅に規模を拡大し、30本以上のインディーゲームが出展され、地元サンフランシスコのゲームファンやインディーゲーム関係者が集まった。

 さまざまなタイトルが出展される中で、「いま何が起こったんだ?」と惹き込まれるユニークなゲームデザインで来場者の足を止め、存在感を発揮していたのが、Marc ten Bosch氏によるパズルアドベンチャー『Miegakure』だ。
 まずはプレイの様子を動画で撮影してきたので見て欲しいのだが、正方形の箱庭風の3Dフィールドが、ボタン一発でググッと別の環境に変形していく浮遊感が実に独特。

 基本的には、パズルを解いて先に進んでいくパズルアドベンチャーなのだが、“4Dパズル”を標榜しているのがミソ。プレイヤーはボタンを押して世界の4つ目の軸(時間ではない)を操作し、フィールドからフィールドへと渡り歩きながら進んでいく。
 例えばあるフィールドでは、町娘が盗っ人に襲われているのに遭遇し、助けたいものの壁が邪魔で向こうに行けない。そこでボタンを押して別のフィールドに世界を切り替え、そのフィールド内で移動してから再度ボタンを押して元の世界に戻ると、町娘がいる壁の向こうに出現できるというワケ。まぁ文章だけ読んでもなんのことやらという感じだと思うが、そのことを念頭に動画を見てもらえばなんとなくはわかるはず(というか実際プレイしていても狐につままれた感じ)。
 このギミックはアドベンチャーの物語としてもユニークな効果をもたらしていて、別のフィールドでは「盗っ人? この辺じゃもう何年も見てないぞ」と言われたり、空間を渡り歩く孤独な異邦人の気分を味わえるのもいい感じ。

 ちなみにタイトルの由来だが、最初に「4D構造を使ったパズル」というゲームデザインを思いつき、「何かタイトルにジャストな言葉はないものか」と探したものの英語にはしっくり来るものがなく、いろいろ調べた結果日本語の「見え隠れ」に行き当たったのだという。プラットフォームはPCで、Steamで2015年のリリースを予定している。